停電というと、夏の熱中症を思い浮かべる方が多いと思います。ですが冬の停電のほうが、命に関わる時間は短いです。
夏は暑さをしのぐ方法がいくつもあります。冬は、暖を取る手段が電気に集中しているからです。
何が止まって、何が残るのか。順番に見ていきます。
いまの暖房は、ほとんど電気が要ります
停電になると、次のものはすべて止まります。
- エアコン
- 電気ストーブ、オイルヒーター
- ホットカーペット、こたつ
- 床暖房
- 石油ファンヒーター
見落とされやすいのが、最後の石油ファンヒーターです。灯油で燃やしていても、点火と送風に電気を使います。コンセントが抜ければ動きません。
「灯油があるから大丈夫」と思っていると、当日に困ります。
残るのは「電気を使わない熱源」だけ
停電中でも使えるのは、電源のいらない熱源です。現実的なのはカセットガスのストーブです。
ボンベ1本で2〜3時間が目安です。一晩を越すなら、本数が要ります。
カセットコンロとボンベを共用できるのが利点です。暖房と調理で同じものを使えます。
ただし、換気だけは省略できません
ここが最も大事なところです。燃やす暖房を部屋で使うときは、必ず換気してください。
ガスでも灯油でも、燃えると一酸化炭素が出ます。締め切った部屋では、濃度が上がります。一酸化炭素は色もにおいもなく、頭が痛い、眠いと感じたときには、もう自力で動けなくなっていることがあります。
目安は1時間に1回、2か所の窓を5分あけること。寒いので閉め切りたくなりますが、ここだけは守ってください。
あわせて、やってはいけないことも挙げておきます。
- 発電機を室内や車庫で使わない……屋外専用です
- 練炭や七輪を部屋で使わない……一酸化炭素中毒の事故が毎年起きています
- ガスコンロを暖房代わりにつけっぱなしにしない……立ち消えに気づけません
温めるより、逃がさない
熱源が限られる以上、作った熱を逃がさないほうが効率的です。
体の熱は、床から奪われます。座っているだけでも、冷たい床に体温が吸われ続けます。段ボールを敷くだけでも違います。アルミのシートを重ねると、さらに効きます。
アルミシート 断熱 保温 災害 エマージェンシーシート カサカサ音が少ない アルミブランケット 静音 防災グッズ アルミ 毛布 サバイバルシート 防災 備蓄着るものは、厚い1枚より薄い物を重ねたほうが暖かくなります。間にできる空気の層が断熱材になるからです。
温めるべき場所は3か所あります。首、手首、足首です。太い血管が皮膚の近くを通っているので、ここを覆うと全身に効きます。マフラーと靴下だけでも体感がかなり変わります。
部屋を1つに決める
家全体を暖めようとすると、熱源が足りません。家族が集まる部屋を1つ決めて、そこだけを暖めます。
選ぶなら、こういう部屋です。
- 窓が少ない、または小さい
- 北向きでない
- トイレや水場から遠すぎない
ドアの下の隙間にタオルを詰める、カーテンを閉める。これだけでも室温の下がり方が変わります。
温かいものを食べる
体の内側から温めるほうが、確実で早いです。カセットコンロがあれば、湯を沸かすだけで変わります。
汁物、スープ、温かい飲み物。食べることそのものが発熱になるので、きちんと食べてください。
備蓄の考え方は備蓄は何日分必要?水と食料の目安にまとめています。冬は、温めて食べられるものを多めにしておくと役に立ちます。
明かりは、別で用意しておく
冬は日が落ちるのが早く、停電の時間の大半が暗闇になります。暖房のことばかり考えていると、ここを忘れます。
明かりと充電の備えは停電したときの備え|明かり・充電・情報の3つに詳しく書きました。
水道管の凍結にも気をつけてください
暖房が止まると、家の中も外気に近づきます。氷点下になると、水道管の中の水が凍ります。
凍るだけなら溶ければ戻りますが、水は凍ると膨らむので、管が破裂することがあります。気づくのは、復旧して水が出たときです。
夜に冷え込む予報が出ていたら、蛇口から鉛筆の芯くらいの水を出しっぱなしにしておくと、凍りにくくなります。
今日1つだけやるなら、これ
カセットボンベが家に何本あるか、数えてください。
ストーブもコンロも、ボンベがなければただの箱です。1本で2〜3時間。一晩を越すなら、最低でも6本は欲しいところです。
使用期限はおおむね7年です。今日数えて、足りなければ買い足してください。
今日のチェックリスト
- カセットボンベの本数を数えた
- 電気がなくても使える暖房があるか確認した
- 換気は1時間に1回と覚えた
- 段ボールかアルミシートを用意した
- 明かりを暖房とは別に用意した
- 冷え込む夜は水を少し出すと知った
まとめ
冬の停電で止まるのは、ほぼすべての暖房です。石油ファンヒーターも電気がなければ動きません。
残るのはカセットガスの熱源だけ。そして燃やす以上、換気は省略できません。
あとは、熱を逃がさないこと。床から冷えること、首・手首・足首を温めること。この2つを知っているだけで、寒い夜の過ごし方が変わります。
なお、暖房が止まると家の中も外気に近づき、水道管が凍ることがあります。凍結そのものより、溶けたあとの破裂が問題です。水道管の凍結を防ぐにまとめました。
大雪のときは、雪下ろしの判断も必要になります。雪下ろしの事故もあわせてお読みください。
次に読むべき記事
「明かり・充電・情報の備えは、こちらです」
→ 停電したときの備え|明かり・充電・情報の3つ
「避難所でも、冷えるのは床からです」
→ 避難所の寒さ対策|体は「床」から冷えます
「車で立ち往生したときの寒さ対策はこちら」
→ 大雪で車が立ち往生したら
「電源そのものを備える選択もあります」
→ ポータブル電源は必要?停電の不安が消える理由と選び方
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→ 防災、何から始める?目的別の記事まとめ

