防災士が解説|電気ストーブで布団は燃えます|つけたまま寝るのが危ない理由

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電気ストーブ火災の3つの危ない場面の図解。つけたまま寝る・洗濯物を干す・近くに物を置く。可燃物の接触による事故の52パーセントが電気ストーブ。

寒くなってくると、ストーブを出します。エアコンだけでは足りない部屋や、足元だけ暖めたいときに、電気ストーブは便利です。

ただ、この時期から春先にかけて、ストーブによる火災が増えます。しかも燃えているのはストーブ本体ではなく、そばにあった布団や洗濯物です。

結論:いちばん多いのは「可燃物が触れる」ことです

故障や漏電ではありません。燃えるものがストーブに近づいて、熱で発火する。これが最も多い経過です。

東京消防庁も、ストーブ火災は「周りの可燃物がストーブに接触することにより発生」すると説明しています(東京消防庁|ストーブの周りに、物を置かないようにしましょう)。

👉 つまりストーブを買い替えても、置き方が同じなら危険は減りません。


数字で見ると、電気ストーブが半分を占めます

NITEが暖房器具の事故を10年分まとめています。

  • 2010年度〜2019年度の10年間で、暖房器具の事故は1,361件
  • そのうち死亡事故が163件(191人)
  • 最も多い事象が「可燃物の接触」で187件
  • その187件のうち、電気ストーブが97件(52%)

出典:NITE|衣類や布団などの可燃物の接触に注意!(令和2年11月26日発表)

👉 可燃物が触れて起きた事故の半分が電気ストーブです。石油ストーブより安全なイメージがありますが、データ上はそうなっていません。


なぜ電気ストーブなのか|炎が見えないからです

石油ストーブには炎があります。見えるので、人は自然に距離をとります。

電気ストーブには炎がありません。だから「これは火ではない」と感じてしまう。ここが落とし穴です。

実際には、電気ストーブの表面やヒーター部分は高温になります。触れていなくても、近くにあるだけで放射熱で発火することがあります。


危ない場面① つけたまま寝る

いちばん避けたい使い方です。

寝ている間は、異常に気づけません。寝返りで布団や毛布が動いて、ストーブに触れることがあります。気づいたときには、布団が燃えています。

👉 NITEも東京消防庁も、就寝前に必ず消すことを挙げています。タイマーで消えるから大丈夫、とも考えないでください。タイマーが切れるまでの間に、布団が触れる可能性は残ります。

危ない場面② 洗濯物を近くで干す

冬は洗濯物が乾きません。ストーブの前に干したくなります。

ただ、これは両方の公的機関が名指しで注意している行為です。

  • NITE:「近くで衣類などを乾かさない」
  • 東京消防庁:「ストーブの近くで洗濯物を乾かさない」

👉 洗濯物が落ちてストーブにかぶさると、そこから燃えます。ハンガーが外れる、風で動く、子どもやペットがぶつかる。落ちる理由はいくらでもあります。

危ない場面③ 布団・カーテン・衣類が近い

置き場所の問題です。

  • ベッドや布団のすぐ横
  • カーテンの裾がかかる位置
  • 脱いだ服を置くソファの前
  • 紙袋や段ボールを置いている場所

👉 ストーブの周囲は、ものを置かない場所として空けておく。「今日は大丈夫」ではなく、最初からそこに物が入らないようにするのが確実です。


石油ストーブは、給油の手順も決まっています

電気ストーブの話をしてきましたが、石油ストーブには固有の注意があります。

東京消防庁が挙げているのは「給油は必ず消してから行う」です。つけたまま給油して、こぼれた灯油に引火するという事故が起きています。

👉 面倒でも、いったん消してから給油してください。


守るべきことは、4つだけです

東京消防庁が挙げているポイントは、この4つです。

  • 周囲に燃えやすいものを置かない
  • 外出時、就寝時は必ず消す
  • ストーブの近くで洗濯物を乾かさない
  • 給油は必ず消してから行う

出典:東京消防庁


もし燃えたら、何で消すのか

布団やカーテンに火がついたときは、普通火災です。

住宅用消火器は、普通火災だけでなくストーブ火災にも対応しています。台所だけでなく、暖房を使う部屋からも手が届く場所に1本あると安心です。

👉 消火用具の種類と選び方は、こちらにまとめました。
→ 消火器の代わりにスプレー・投てき型でいい?3種類の違い

そして、気づくのが先です。寝室に火災警報器がついているか、一度見ておいてください。
→ 住宅用火災警報器のよくある疑問|賃貸は?罰則は?煙で起きる?

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よくある質問

電気ストーブは、石油ストーブより安全ではないのですか

「燃料を使わない=安全」とは言えません。NITEの集計では、可燃物の接触による事故187件のうち電気ストーブが97件(52%)で最多でした。炎が見えないぶん近くに物を置いてしまいやすく、それが結果に出ていると考えられます。

寝るときにタイマーを使えば大丈夫ですか

タイマーが切れるまでの間は、ストーブはついたままです。その間に寝返りで布団が触れれば同じことが起きます。NITEも東京消防庁も「就寝時は消す」としており、タイマーでの代用は挙げていません。

こたつや電気カーペットも危ないですか

NITEの1,361件は暖房器具全体の事故件数で、電気ストーブだけの話ではありません。こたつや電気カーペットも暖房器具です。上に重いものを置く、コードを折り曲げたまま家具で踏む、といった使い方は避けてください。

ストーブからどれくらい離せばいいですか

機種によって違うので、取扱説明書に書かれている距離に従ってください。説明書が手元にない場合は、メーカーのサイトで型番から探せることが多いです。距離の数字が分からないときは「手を伸ばして届く範囲には置かない」を目安にしてください。


買い替えるなら、ここを見てください

いま使っているものが古い場合、買い替えで減らせるリスクがあります。

  • 転倒OFFスイッチ…倒れたときに自動で電源が切れる
  • 自動電源オフ…消し忘れたときに一定時間で切れる
  • PSEマーク…電気用品安全法の基準を満たした製品につく表示

👉 とくに転倒OFFは、地震のときにも効きます。揺れでストーブが倒れ、そのまま通電し続けるのが、地震後の火災の一因です。

地震のあとの火災については、こちらにまとめています。
→ 地震のあとの火事を防ぐ|通電火災と電気の遮断


今日1つだけやるなら、これ

ストーブを置いている場所に、立ってみてください。

手を伸ばして届く範囲に、燃えるものはありませんか。

👉 布団、カーテン、洗濯物、紙類。1つでもあれば、今のうちに動かしてください。火が出てからでは間に合いません。

今日のチェックリスト

  • ☐ ストーブの周囲に燃えるものがない
  • ☐ 寝るときは消す習慣になっている
  • ☐ 洗濯物をストーブの前に干していない
  • ☐ カーテンの裾がストーブにかからない位置にある
  • ☐ (石油ストーブ)給油は消してからやっている
  • ☐ 寝室に火災警報器がついている

まとめ

  • ストーブ火災の多くは可燃物が触れて起きる。故障ではありません
  • 可燃物の接触による事故187件のうち、電気ストーブが97件(52%)
  • 炎が見えないぶん、電気ストーブのほうが油断しやすい
  • つけたまま寝ない・洗濯物を干さない。この2つだけでもかなり違います
  • 住宅用消火器はストーブ火災にも対応している

暖房をやめる必要はありません。置き方を変えるだけです。

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→ 天ぷら油が燃えたら|水とマヨネーズがダメな理由

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「何で消すのか、種類ごとの違いはこちらです」
→ 消火器の代わりにスプレー・投てき型でいい?3種類の違い

「冬に停電したとき、暖房が全部止まったらどうするか」
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「火に気づくための警報器のことです」
→ 住宅用火災警報器のよくある疑問|賃貸は?罰則は?煙で起きる?

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