防災士が解説|避難所の寒さ対策|体は「床」から冷えます

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冬の災害でいちばん怖いのは、実は寒さです。

体育館の床は驚くほど冷えます。しかも停電していれば暖房は動きません。地震と違って、大雪は数日前から予報で分かります。だからこそ、準備しておけば大きく差がつきます。

この記事では、防災士として「これは効く」と思っている寒さ対策を、優先順に書きます。

準備するタイミングは「来週の予報」を見たとき

よくある失敗が、これです。

  • 来週に大雪予報 → まだ大丈夫
  • 3日後に大雪予報 → 前日でいいか
  • 前日 → 買いに行ったら売り切れ

カイロ、電池、カセットボンベは、大雪予報が出た地域では前日に必ず消えます。「来週、大雪らしい」と聞いた時点が買い時だと思ってください。

そして、避難所に行けば毛布が配られると期待しないほうが無難です。数が足りないこともありますし、届くまでに時間がかかります。

体は「床」から冷えます

ここがいちばん大事なところです。多くの方が上着を厚くしようとしますが、避難所で体温を奪うのは床です。

体育館の床に直接寝ると、体の熱がどんどん床に吸われていきます。毛布を1枚多くかけるより、下に1枚敷くほうが暖かいです。これは覚えて帰ってください。

  • 段ボールを敷く(避難所にあれば必ずもらう)
  • アルミシート、銀マット
  • 使っていない毛布を「かける」のではなく「敷く」

段ボールは1枚でもかなり違います。空気の層が断熱材になるので、実は優秀です。

まず用意するもの

1|カイロ

いちばん手軽です。温まる範囲は狭いのですが、貼る場所を選ぶと効きが変わります。

おすすめは腰、お腹、肩甲骨の間。太い血管が通っているところを温めると、全身に回ります。長時間同じ姿勢でいると体がこわばるので、腰に貼れるだけでもずいぶん楽になります。

注意点をひとつ。肌に直接貼るタイプと、衣類に貼るタイプは別物です。衣類用を素肌に貼ると低温やけどをします。寝るときに貼りっぱなしにするのも避けてください。

2|電熱ベスト

上半身がしっかり暖まります。普段使いでも便利なので、防災用としてしまい込まずに冬に着てしまうのがいいと思います。

ただし発熱にはモバイルバッテリーが必要です。ここを忘れると、ただのベストになります。

3|モバイルバッテリー

電熱ベストを動かすだけでなく、スマホの充電にも使えます。1個あるだけで安心感がまるで違いますし、できれば複数あると心強いです。

ひとつ知っておいてほしいのが、リチウムイオン電池は寒いと性能が落ちることです。残量があるのに急に止まったように見えることがあります。使わないときは服の内側など、体に近いところに入れておいてください。

電源をもっと本格的に備えるならポータブル電源という選択肢もあります。

4|足先の冷え対策

足の指先が冷えると、それだけで気持ちが落ちます。逆に足先さえ暖かければ、かなり耐えられます。

靴下の重ね履きも有効ですが、きつく重ねると血行が悪くなって逆効果です。ゆったりしたものを選んでください。

5|ヒーターパンツ

余裕があれば、下半身も。避難所では座っている時間が長くなるので、太ももとお尻が冷えます。

アルミシートは必ず1枚

防災バッグに入れておくなら、まずこれです。見た目はただの薄いシートですが、体から出る熱を反射して逃がさない仕組みです。軽くて小さく畳めるので、場所も取りません。

使い方のコツは、体に密着させすぎないこと。ぴったり巻くと汗で蒸れて、かえって冷えます。服の上からゆるく包むくらいがちょうどいいです。

もうひとつ、こすれるとカサカサ音が出ます。夜の避難所では意外と響くので、上から毛布をかけるなど工夫してみてください。

お金をかけずにできること

買わなくてもできる対策もあります。

  • 新聞紙を服の中に入れる……お腹や背中に1枚で、風を通しません
  • ポリ袋をかぶる……頭と腕を出す穴をあければ、簡易の雨具兼防寒具になります
  • 首・手首・足首を隠す……この3か所を覆うだけで体感がかなり変わります
  • 温かい飲み物を少しずつ……体の内側から温めるのがいちばん効率がいいです

手袋、ネックウォーマー、マフラー。普段使っているものを防災バッグの近くに置いておくだけでも十分です。普段使うものほど、いざというときに役に立ちます。

今日1つだけやるなら、これ

防災バッグにアルミシートを1枚入れてください。

数百円で、厚さは数ミリです。これがあるかないかで、冬の一晩の意味が変わります。

今日のチェックリスト

  • ☐ アルミシートを防災バッグに入れた
  • ☐ カイロを箱で買っておいた
  • ☐ モバイルバッテリーを充電してある
  • ☐ 「床に敷く」ものを決めてある
  • ☐ 大雪予報を見たら前日ではなく当日に買うと決めた

まとめ

寒さ対策の要点は3つです。床から冷える/首・手首・足首を隠す/大雪は予報が出た時点で買う。

ここで挙げたものは、どれも普段の冬に使えるものばかりです。防災用だと思わず、この冬から使ってみてください。それがそのまま備えになります。


寒さで危ないのは、避難所だけではありません。大雪で車に閉じ込められたときの備えは大雪で車が立ち往生したらにまとめています。

自宅で停電したときの寒さ対策は、冬に停電したらに分けて書いています。使える熱源が限られる点は同じです。

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