防災士が解説|女性の備え|生理用品と、防犯のこと

女性の備え。生理用品は1〜2周期分、ドライシャンプー、下着の替えとホイッスル、夜のトイレは一人で行かないことを示した図

防災グッズのリストは、どれも似たような内容になりがちです。水、食料、ライト、電池。

でも実際の避難生活で、女性が「これがなくて本当に困った」と語るものは、そうしたリストにあまり載っていません。過去の災害では、言い出しにくさもあって我慢してしまった、という声が繰り返し上がっています。

この記事では、防災士として、そこを具体的に書きます。ご自身のためにも、ご家族のためにも読んでみてください。

生理用品は、支援物資を当てにしない

これが最優先です。

支援物資には生理用品も含まれますが、届くまでに数日かかります。しかも届いたとしても、こういう問題が起きます。

  • もらいに行きづらい……配布係が男性だと、言い出せない方がいます
  • サイズや種類が合わない……夜用、多い日用がない。肌が合わない
  • 数が足りない……1人に数枚、ということも起こります

だから最低でも1周期分、できれば2周期分を自宅に備えてください。生理用品は代用が難しく、我慢すると不衛生から体調を崩します。

備え方は簡単です。いつも使っているものを、1パック多めに買う。使ったら買い足す。これだけで備蓄になります。

あわせておりものシートもおすすめします。下着を替えられない状況で、清潔を保ちやすくなります。

体を清潔に保つもの

断水すると、お風呂はもちろん、髪を洗うこともできません。これが想像以上に気持ちを削ります。

  • ドライシャンプー……水がいりません。頭のかゆみとにおいが、かなり軽くなります
  • 体を拭くシート……大判のものを
  • 拭き取り化粧水、保湿……洗顔ができない日が続くと、肌が荒れます
  • 下着の替え……多めに。紙ショーツという選択肢もあります
  • ヘアゴム、ヘアバンド……小さいのに、あるとないとで違います

断水中のケアは断水でお風呂に入れないときにもまとめました。

防犯の話を、はっきり書きます

気持ちのいい話ではありませんが、必要なことなので書きます。

過去の災害では、避難所や仮設住宅で性被害や盗撮が実際に起きています。国も、男女共同参画の視点を防災に取り入れる指針を出しています。「非常時だから仕方ない」と我慢する必要は、まったくありません。

  • トイレと更衣室は、明るい場所を選ぶ……暗い場所、人目のない場所は避けてください
  • 夜間は一人で行動しない……誰かと一緒に、が原則です
  • 着替えは必ず仕切りの中で……ないなら「作ってほしい」と言っていい
  • 下着は見えるところに干さない
  • ホイッスルを身につける……声が出ないときでも知らせられます
  • 子どもを一人でトイレに行かせない

そして困ったら必ず相談してください。避難所の運営者、自治体の女性相談窓口、警察。何かあったときに「相談していい」と知っているだけで、行動が変わります。

小さなお子さんがいる場合

  • 液体ミルク……お湯も哺乳瓶の消毒もいりません。使い捨ての紙コップや乳首とセットで
  • おむつとおしりふき……サイズは成長で変わります。半年に一度は見直しを
  • 授乳ケープ……避難所に授乳室があるとは限りません
  • 抱っこひも……がれきの道でベビーカーは使えません

子どものいる家庭のリュックは子どもがいる家庭の防災リュック中身チェックリストにまとめています。

ご家族の方へ

これは、女性だけが読む記事ではありません。

避難所の運営に関わることがあったら、こういう配慮をお願いします。難しいことではありません。

  • 生理用品の配布は、女性が担当する……あるいは「自由に持っていける場所」に置く
  • 更衣室と授乳室をつくる……段ボールとブルーシートで十分です
  • トイレは男女を分け、明るい場所に
  • 運営側に女性を入れる……これがいちばん効きます

防災用品を家族で確認するときは、「うちに足りないのはどれか」を一緒に見てください。言いにくいことを言わずに済むのが、いちばんの配慮だと思います。

今日1つだけやるなら、これ

次の買い物で、生理用品を1パック多めに買ってください。

防災用の特別な買い物はいりません。いつものものを、いつもの店で。使ったら買い足す。それだけで備えになります。

今日のチェックリスト

  • ☐ 生理用品を1周期分以上、家に置いた
  • ☐ ドライシャンプーを1本入れた
  • ☐ 下着の替えを多めに用意した
  • ☐ ホイッスルを防災バッグに入れた
  • ☐ 困ったら相談していいと知った

まとめ

災害時に女性が困るのは、言い出しにくいことほど、支援が届きにくいという構造があるからです。だからこそ、自分の手元に置いておくことが確実です。

そして、我慢は備えではありません。必要なものは必要だと言っていいし、危ないと感じたら相談していい。そのことを覚えて帰ってください。


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