防災士が解説|ハザードマップの種類と限界|色がなくても安全とは限りません

知っていますか?ハザードマップを!!の要点をまとめた図解

ハザードマップという言葉は、一度は聞いたことがあると思います。自然災害の被害を予測して、危ない場所と避難先を地図に示したものです。

ただ、ハザードマップは1種類ではありません。そして、色がついていないから安全、というわけでもありません。

この記事では、どんな種類があるのか、どこで手に入るのか、そして何が限界なのかをまとめます。具体的な見方の手順はハザードマップの見方を3分でに書いてありますので、そちらとあわせてどうぞ。

ハザードマップの種類

災害の種類ごとに、別々の地図が用意されています。主なものはこれだけあります。

  • 洪水……川があふれたとき。いちばん知られているものです
  • 内水氾濫……下水や排水路が処理しきれず、道路や家が浸水するもの。川から遠くても起きます
  • 高潮……台風で海面が持ち上がるもの。沿岸部では洪水より深く浸かることがあります
  • 津波
  • 土砂災害……がけ崩れ、土石流、地すべり
  • 火山……噴石、火砕流、降灰
  • ため池……決壊したときの浸水想定。意外と身近にあります
  • 地震の揺れやすさ、液状化……自治体が独自に作っていることが多いです

ここで大事なのは、「洪水の地図を見て色がなかった」だけでは安心できないということです。内水氾濫や土砂災害は別の地図なので、そちらで色がついているかもしれません。

どこで手に入るのか

1|重ねるハザードマップ

国土交通省のポータルサイトです。住所を入れると、洪水・土砂災害・津波などを地図に重ねて表示できます。全国どこでも同じ操作で見られるのが利点です。

2|わがまちハザードマップ

同じポータルから、各自治体が作った地図に飛べます。避難所の場所や、その地域特有のリスクはこちらのほうが詳しいです。両方見ておくのが理想です。

3|紙の冊子

これを忘れないでください。多くの自治体が、ハザードマップを冊子で配っています。市役所や支所の窓口でもらえますし、転入時に配られていることもあります。

災害のときは停電します。スマホの電池も減ります。そのとき、紙の地図が1枚あることの価値は大きいです。冷蔵庫に貼っておくくらいでちょうどいいと思います。

ここが限界です

防災士として、ここはきちんとお伝えしておきたいところです。

1|「想定」であって、予言ではありません

ハザードマップは、ある条件を想定して計算した結果です。その想定を超える雨が降れば、色がついていない場所も浸水します。実際、過去の水害でも想定区域の外で被害が出ています。

2|色がなくても、道は水につかります

家が無事でも、避難する途中の道が冠水していたら動けません。地図では家だけでなく、避難所までの経路を見てください。アンダーパスや地下通路は特に危険です。

3|更新されます

想定が見直され、色が変わることがあります。数年前に見たきり、という方はもう一度見てください。以前は白かった場所に色がついていることがあります。

こんなときに見てください

「一度見たから終わり」にしないために、見るタイミングを決めておくと続きます。

  • 引っ越し先を決める前……これがいちばん効きます。住む場所は、あとから変えられません
  • 家を買う前……不動産の重要事項説明でも水害リスクの説明が行われますが、自分でも見ておいてください
  • 台風が近づいたとき……逃げるかどうかの判断材料になります
  • 親や子どもの住まいについて……離れて暮らす家族の分も見ておくと、電話で的確に指示できます

台風前日にやることは台風が来る前日にやることリストにまとめています。

色がついていたら、次にすること

色を見て終わりでは意味がありません。3つだけ考えてください。

  1. 何メートル浸かるか……1階が沈むのか、2階まで来るのか
  2. 上に逃げられるか……2階建てなら垂直避難という選択肢があります
  3. 逃げるなら、いつ、どこへ……暗くなる前、雨が強くなる前に動く

そして水災の補償が保険に付いているかも確認してください。浸水想定区域なのに水災を外している契約が、実際にあります。詳しくは火災保険は災害で使える?をどうぞ。

今日1つだけやるなら、これ

「重ねるハザードマップ」で自宅を検索して、洪水と土砂災害の2つを表示してみてください。

3分あれば終わります。色がなければ、それが分かっただけで十分な成果です。

今日のチェックリスト

  • ☐ 洪水以外の地図も見た(内水・土砂・高潮)
  • ☐ 避難所までの道に色がないか見た
  • ☐ 紙のハザードマップが家にあるか確認した
  • ☐ 数年前に見たきりなら、見直した
  • ☐ 親や子どもの住まいの分も見た

まとめ

ハザードマップは1種類ではなく、洪水で白くても内水や土砂で色がついていることがあります。そして想定を超えれば、色のない場所も浸水します。

過信せず、でも見ないよりは圧倒的にいい。紙の1枚を家に置いておく、というところから始めてみてください。


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