台風が近づいてきたとき、あなたは何時に、何をしますか。
この質問に答えられる方は、ほとんどいません。当日になってから考えると、必ず迷います。迷っているうちに雨が強くなり、暗くなり、動けなくなる。これが逃げ遅れの典型です。
そこで役に立つのがマイ・タイムラインです。難しそうな名前ですが、要は「いつ、誰が、何をするか」を先に決めておく自分専用のメモです。
作る前に、3つだけ決めます
いきなり時間割を書こうとすると手が止まります。先にこの3つを決めてください。
- 自分の家は、逃げる必要があるのか……ハザードマップで色を見ます。色がなければ、家にとどまるほうが安全なこともあります
- 逃げるなら、どこへ……避難所、親戚の家、ホテル。選択肢は避難所だけではありません
- 誰と逃げるのか……高齢の家族、小さな子ども、ペット。誰がいるかで、動き出す時間が変わります
この3つが決まれば、あとは時間を割り振るだけです。
3日前から、こう動きます
台風は、地震と違って数日前から分かります。この時間を使えるかどうかが分かれ目です。
3日前|確認する
- 台風の進路と、接近する日時を確認する
- 備蓄(水・食料・電池・常備薬)が足りているか数える
- 足りないものを買いに行く……前日には売り切れます
2日前|そろえる
- スマホとモバイルバッテリーを充電
- 車に給油(停電するとガソリンスタンドも止まります)
- 現金を少し下ろす
- 処方薬が残り少なければ、受診しておく
前日|片付けて、決める
- ベランダや庭の物をしまう(飛びます)
- お風呂に水をためる
- 非常持ち出し袋を玄関に置く
- 避難先と経路を家族で確認する
- 雨戸を閉める、窓に養生テープ
前日にやることの詳しい一覧は台風が来る前日にやることリストにまとめています。
当日|警戒レベルで動く
- レベル3(高齢者等避難)……高齢の方、小さなお子さん、体の不自由な方がいる家庭はここで出ます
- レベル4(避難指示)……全員避難。ここが最後のタイミングです
- レベル5……すでに災害が起きています。外に出ず、2階以上へ
レベルの意味は警戒レベル1〜5の意味にまとめました。
高齢の家族がいるなら、1段階早く
ここがマイ・タイムラインでいちばん大事なところです。
避難にかかる時間は、家族構成でまったく違います。大人だけなら15分で家を出られますが、車いすの家族がいれば1時間かかるかもしれません。小さな子どもが2人いれば、荷物も手も足りません。
だから「うちは何分かかるか」を一度測ってみてください。そのぶんだけ、早く動き出す必要があります。
そして暗くなる前に動くのが鉄則です。夜の避難は、それ自体が危険な行為になります。
必ず、紙に書いてください
頭の中で考えただけでは、当日に思い出せません。そして災害時、スマホの電池は切れます。
紙1枚に、こう書いておくだけで十分です。
- 避難先(第1・第2)と、そこまでの道
- 家を出るまでにかかる時間
- 誰が何を持つか
- レベル3で出るか、4で出るか
- 家族の連絡先
冷蔵庫に貼っておくのがおすすめです。家族全員が見られます。
自治体の用紙が使えます
ゼロから考えるのが大変なら、多くの自治体や国土交通省が、マイ・タイムラインの記入用紙を配っています。穴埋め式になっているので、埋めていくだけで完成します。
「◯◯市 マイタイムライン」で検索してみてください。無料でダウンロードできます。
今日1つだけやるなら、これ
「うちは、レベル3で出るか、レベル4で出るか」を決めてください。
これだけで、当日の迷いが半分なくなります。高齢の家族や小さなお子さんがいるなら、答えはレベル3です。
今日のチェックリスト
- ☐ 自分の家に色がついているか確認した
- ☐ 避難先を第2まで決めた
- ☐ 家を出るまでの時間を測った
- ☐ レベル3で出るか、4で出るか決めた
- ☐ 紙に書いて冷蔵庫に貼った
まとめ
マイ・タイムラインは、当日に迷わないための下ごしらえです。3日前から順に、やることと時間を割り振っておくだけ。
台風は必ず予告してくれます。その時間を使えるかどうかは、事前に決めてあるかどうかで決まります。
次に読むべき記事
「いつ逃げるかは、警戒レベルで決まります」
→ 警戒レベル1〜5の意味|「レベル4で全員避難」
「前日にやることの一覧です」
→ 台風が来る前日にやることリスト|今日1つだけでOK
「自分の家が逃げるべき場所か、3分で分かります」
→ ハザードマップの見方を3分で|色と逃げ先だけ見ればOK
「逃げずに家にとどまる選択もあります」
→ 在宅避難のやり方|避難所に行かないという選択
「他の記事も見てみたい方は、目的別の目次からどうぞ」
→ 防災、何から始める?目的別の記事まとめ

