防災士が解説|車に積んでおく防災グッズ|夏に置いてはいけない物もあります

車に積んでおく防災グッズ。夏の車内は50℃を超えるためモバイルバッテリーとスプレー缶は積まない、まず水・携帯トイレ・歩ける靴を積むことを示した図

防災の備えは、家に置くものだと思われがちです。

でも、災害はあなたが家にいるときに起きるとは限りません。
通勤中、買い物中、送り迎えの途中かもしれません。

そのとき使えるのは、車に積んであるものだけです。

この記事では、車に積んでおくものと、
意外と知られていない車に置いてはいけないものを紹介します。


⚠️ 先に、車に置いてはいけないもの

積むものより、こちらが先です。

夏の締め切った車内は50℃を超えます。
ダッシュボードの上は、さらに高温になります。

❌ モバイルバッテリー・ポータブル電源

リチウムイオン電池は高温に弱く、膨張や発火の原因になります。
「防災用だから積みっぱなし」が、いちばん危ない使い方です。

モバイルバッテリーの危険な使い方7選

❌ スプレー缶

カセットボンベ、制汗スプレー、日焼け止めスプレー。
高温で破裂することがあります。

△ 飲み物・食べ物は「入れ替え前提」で

置いてはいけないわけではありませんが、高温と低温を繰り返すと傷みます。
積みっぱなしにせず、定期的に入れ替えてください。

👉 車載の備えは「置いておく」ではなく「入れ替える」
ここが家の備蓄といちばん違うところです。


まず積む5つ

① 水

渋滞で動けなくなったときも、徒歩で帰るときも要ります。
500mlを数本でかまいません。夏は入れ替えを忘れずに。

② 携帯トイレ【車載ではこれが最優先】

渋滞、通行止め、雪の立ち往生。
車から降りられない状況で、いちばん困るのがトイレです。

家族が乗るなら、目隠し用のポンチョか大きめのタオルも一緒に。

携帯トイレは何回分必要?1人35回分が目安

③ 明かり

車のライトは、バッテリーを消耗します。
ヘッドライト型があると、両手が空いて作業もできます。

④ シガーソケットの充電器

車の強みはここです。エンジンがかかれば充電できます。
モバイルバッテリーを積めない代わりに、これを1つ入れておいてください。

⑤ 歩ける靴

道路が寸断されれば、車を置いて歩くことになります。
ヒールや革靴では歩けません。履き古したスニーカーで十分です。


あると助かるもの

  • 軍手(ガラスやがれきを触るとき)
  • ウェットティッシュ・トイレットペーパー
  • 現金と小銭(停電でカードが使えません)
  • 常備薬・使い慣れた眼鏡
  • アルミシート・ブランケット
  • タオル数枚

👉 全部そろえなくて大丈夫です。
トランクの隅に1つ袋を置いて、そこに入れていくだけで形になります。


車だからこそ必要な装備

脱出用ハンマー・シートベルトカッター

水没や事故でドアが開かなくなったとき、窓を割って出るための道具です。

⚠️ トランクではなく、運転席から手が届く場所に置いてください。
必要になる場面では、シートベルトを外して後ろへ行く余裕がありません。

ガソリンは半分を切ったら入れる

停電するとガソリンスタンドも動きません。
満タンでなくていいので、半分を目安に給油する習慣にしてください。

👉 これはお金も手間もかからない備えです。給油のタイミングを変えるだけです。


⚠️ 雪の立ち往生で、命に関わること

これだけは、必ず覚えて帰ってください。

大雪で立ち往生したとき、暖房のためにエンジンをかけ続けると、
マフラーが雪で埋まって排気ガスが車内に入ってきます。

一酸化炭素は無色無臭です。気づかないまま意識を失います。
毎年のように事故が起きています。

  • エンジンをかけるなら、マフラーの周りを除雪する
  • 降り続いているなら、こまめに確認する
  • できればエンジンを切り、毛布で暖をとる

👉 だから雪の季節はスコップとブランケットを積んでおきます。


車中泊をするなら

同じ姿勢で長時間座っていると、エコノミークラス症候群の危険があります。

  • こまめに足を動かす・外に出て歩く
  • 水分をしっかりとる(トイレを我慢しない)
  • できるだけ体を横にする

👉 トイレを我慢すると水分を控えてしまい、そこから危険が始まります。
携帯トイレを積む理由は、ここにもあります。

車中避難が増えている理由とリスク


入れ替えは年2回でいい

車載の備えは、置きっぱなしにすると劣化します。
とはいえ、毎月見るのは続きません。

👉 タイヤ交換のタイミングに合わせてください。
夏タイヤと冬タイヤを替えるとき、年2回。それで十分です。

雪の降らない地域なら、車検と、その半年後を目安に。


今日1つだけやるなら、これ

トランクを開けて、今そこに何が入っているか見てみてください。

何もなければ、まず携帯トイレと水を1袋にまとめて入れる。
それだけで、出先で被災したときの状況がまったく変わります。

⚠️ ついでに、モバイルバッテリーが入れっぱなしになっていないかも見てください。


今日のチェックリスト

  • ☐ モバイルバッテリー・スプレー缶を積んでいない
  • ☐ 水と携帯トイレを積んだ
  • ☐ 歩ける靴を1足入れた
  • ☐ シガーソケットの充電器がある
  • ☐ 脱出用ハンマーが運転席から届く場所にある
  • ☐ ガソリンは半分以上ある
  • ☐ 入れ替えの時期を決めた

まとめ

車は、動く備蓄庫になります。
家が被災しても、車が無事なら、そこにあるものが助けてくれます。

覚えることは3つだけです。

  • バッテリーとスプレー缶は積まない
  • 水と携帯トイレから始める
  • 雪で立ち往生したら、マフラーを掘る

完璧を目指す必要はありません。
まずはトランクを開けるところから、どうぞ。


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