防災グッズを揃えようと思っても、いきなり数万円かかると思うと手が止まってしまいますよね。私も防災士として相談を受けるとき、いちばん多いのが「何にいくらかければいいのか分からない」という声です。
結論から言うと、100円ショップで買っていいものと、そこはケチらないほうがいいものがはっきり分かれます。この記事では、防災士の立場からその線引きを正直にお伝えします。
全部そろえなくて大丈夫です。今日1つ買って帰るだけでも、昨日より確実に安全になります。
100均で買っていいもの、やめたほうがいいもの
まずここを押さえてください。防災グッズは「安く済むもの」と「安く済ませると意味がなくなるもの」があります。
100均で十分なもの
家具や窓を守るための対策グッズ、そして避難生活で「あると助かる」消耗品は、100均で十分です。使い捨て前提のものや、性能差が出にくいものですね。
- ガラス飛散防止フィルム
- 耐震マット、クッションスポンジ
- ホイッスル(笛)
- アルミの保温シート、ポンチョ
- ポリ袋、ラップ、養生テープ、軍手
- ウェットティッシュ、歯みがきシート
- 油性ペン(安否や名前を書くのに必ず要ります)
100均だと不安なもの
逆に、次の5つは100均で済ませないほうがいいと思っています。理由も書いておきます。
- モバイルバッテリー……容量表示が実際と違うものや、PSEマークのないものが混ざります。発熱・発火の事故が実際に起きている分野なので、ここはメーカー品にしてください
- ヘルメット……頭を守る道具には規格(保護帽の基準)があります。見た目が似ていても性能は別物です
- 保存水・保存食……賞味期限が短いものが多く、備蓄には向きません
- 乾電池……備蓄用は長期保存タイプを選んだほうが、いざというときに液漏れで使えない事態を避けられます
- 消火器……そもそも100均では売っていませんが、簡易タイプで代用しようとしないでください
とくにモバイルバッテリーは、車の中に置きっぱなしにすると夏場に危険です。詳しくはモバイルバッテリーの危険な使い方7選にまとめました。
まず買う5つ|優先順位をつけました
ここからは、実際に100均で買えるものを優先順に紹介します。上から順に買っていけば大丈夫です。
1|ガラス飛散防止フィルム
地震のケガでいちばん多いのが、割れたガラスによるものです。停電した部屋を裸足で歩いて足を切る、という事故が実際に起きています。
まずは、飛散防止フィルムです!
この商品は、100cm×32cmです。
窓の大きさに合わせてカットして貼り付けることによって、万が一、地震によってガラスが割れても飛散せず、怪我の防止に繋がります。
全部の窓に貼る必要はありません。まずは寝ている部屋の窓から貼ってみてください。夜中に地震が来たとき、いちばん逃げ場がないのが寝室です。貼るときは、霧吹きで軽く水をかけながらだと気泡が入りにくいですよ。
2|家具の転倒防止マット
倒れてきた家具でケガをする、出口をふさがれる、というのも地震では定番です。
お次は、クッションスポンジです!!
これは、プリンターなどの電化製品の下に敷いておくことで、振動防止に繋がります。また、日頃の引きずり対策にもなります。
家具用の耐震マットはこちら!!
電化製品だけでなく、家具などに敷いておくことで転倒防止に繋がります。
耐震マットを買うときは、パッケージの「対応重量」を必ず見てください。100均のものは軽い家電向けです。重い本棚やタンスには足りません。
3|家具転倒防止の突っ張り棒
耐震マットより、もっと効果的なものは家具転倒防止突っ張り棒です。
置いている家具に耐震マットを取り付けるのは面倒かもしれません。
そんなときは、家具転倒防止突っ張り棒がおすすめです。
これは家具が固定されますので、耐震マットより効果は期待できます!!
突っ張り棒には1つだけ注意点があります。天井に下地(芯になる部分)がないと、地震のときに天井板ごと抜けてしまいます。不安なときは、突っ張り棒と天井の間に厚めの板を1枚はさんでください。力が分散して効きが良くなります。
家具の固定方法をもっと詳しく知りたい方は、家具の固定は何がいい?転倒防止グッズの選び方もあわせてどうぞ。
4|簡易トイレ
緊急簡易トイレも準備しておきましょう!!
ただし、100均の簡易トイレは1〜2回分です。これで足りると思ってしまうのがいちばん危ないところで、実際に必要なのは1人あたり35回分が目安になります。まずは100均で「どんなものか試す」、足りないぶんはまとめ買いする、という順番がいいと思います。
5|保温アルミポンチョ
冬場の寒さ対策には、簡易保温アルミポンチョです!
これ1枚あるだけで、ちょっと不安が解消されます。
家族の人数分用意しておきましょう!!
これは本当に軽くて薄いので、防災リュックにも車にも入れておけます。ひとつだけ知っておいてほしいのは、アルミシートはこすれるとカサカサ音が出ることです。避難所で夜に使うと気になることがあるので、上から毛布をかけるなど工夫してみてください。
100均で意外と役に立つもの
防災コーナー以外にも、使えるものがあります。私が実際にすすめているのはこのあたりです。
- ホイッスル……閉じ込められたとき、声を出し続けるのは体力がもちません。笛なら少ない力で居場所を知らせられます
- ポリ袋(大きめ)……簡易トイレの替え、水の運搬、雨具、防寒と何にでも使えます
- ラップ……お皿にかぶせれば、断水中も洗い物が出ません
- 養生テープ……家具の仮どめ、割れたガラスの応急処置、貼り紙に使えます
- S字フック……避難所で荷物を床に置かずに済みます
- 油性ペン……子どもの持ち物や、家族への伝言を書くのに必ず要ります
今日1つだけやるなら、これ
寝室の窓に、ガラス飛散防止フィルムを貼ってください。
110円で、夜中の地震でケガをする確率を下げられます。全部の窓をやろうと思うと一生始まらないので、まず1枚だけで大丈夫です。
今日のチェックリスト
- ☐ 寝室の窓に飛散防止フィルムを貼った
- ☐ テレビ・電子レンジの下に耐震マットを敷いた
- ☐ 背の高い家具の固定方法を決めた
- ☐ 簡易トイレを試しに1つ買った
- ☐ ホイッスルを防災リュックに入れた
- ☐ モバイルバッテリーだけはメーカー品を用意した
まとめ
100均は「家具と窓を守る対策」と「避難生活の消耗品」にとても強いです。一方で、命を守る性能そのものが問われるもの(モバイルバッテリー・ヘルメット・備蓄の水と食料)は、お金をかける価値があります。
この線引きさえ分かっていれば、防災の買い物で失敗しません。まずは110円から始めてみてください。
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