防災士が解説|災害で被害を受けたら|り災証明書と受けられる支援

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。

災害で被害を受けたら|受けられる支援と手続きの基本の要点をまとめた図解

これまでこのブログでは「備える」話を中心に書いてきました。今回は、実際に被害に遭ってしまったあとの話です。

どれだけ備えても、想定外はやってきます。そのときに知っているかどうかで、生活の立て直しやすさが大きく変わる制度があります。

ただ、これらの制度には共通点がひとつあります。すべて、自分から申請しないと始まりません。黙っていても誰も教えに来てくれない、というのが現実です。

すべての入口は「り災証明書」です

ここだけ覚えて帰ってください。

り災証明書とは、住んでいる家がどれくらいの被害を受けたかを市区町村が証明する書類です。支援金、税の減免、保険の一部、仮設住宅の申し込み。ほぼすべての手続きで、これが求められます。

被害の区分

市区町村の調査員が家を見て、次のように判定します。

  • 全壊
  • 大規模半壊
  • 中規模半壊
  • 半壊
  • 準半壊
  • 一部損壊

この区分によって、受けられる支援の中身と金額が変わります。だから判定は非常に重要です。

納得できないときは、再調査を申し出られます

意外と知られていないのですが、判定結果に納得できない場合、第2次調査(再調査)を依頼できます。1回目は外観だけを見る調査であることが多く、家の中まで見てもらうと判定が変わることがあります。

遠慮せずに申し出てください。ここで区分がひとつ変わるだけで、支援金が数十万円から百万円単位で変わることがあります。

だから、片付ける前に写真を撮ってください

これは実務的に、いちばん大事なお願いです。

被災すると、まず片付けたくなります。でも片付けてしまうと、被害の証拠が消えます。調査員が来るのは何日も後になることが多く、そのときには「本当にそんな被害があったのか」を示すものがありません。

  • 家の外観を四方向から撮る
  • 部屋ごとに全体を撮る
  • 壊れた箇所は寄りで撮る
  • 浸水したなら水の跡にメジャーを当てて高さが分かるように撮る
  • 日付が分かるようにしておく(スマホなら自動で残ります)

この写真は、り災証明書の調査でも、火災保険の請求でも使えます。5分の作業が、あとで大きな差になります。

受けられる主な支援

お金がもらえるもの

  • 被災者生活再建支援制度……住宅の被害程度に応じた基礎支援金と、再建方法(建設・購入・補修・賃借)に応じた加算支援金があります。一定規模以上の災害が対象です
  • 災害弔慰金……家族を亡くされた場合
  • 災害障害見舞金……重い障害が残った場合
  • 義援金……り災証明書の区分に応じて配分されます

借りられるもの

  • 災害援護資金……市区町村からの貸付です
  • 生活福祉資金の緊急小口資金……当面の生活費として

負担が減るもの

  • 所得税の雑損控除……確定申告で、損失を所得から差し引けます。翌年以降に繰り越すこともできます
  • 災害減免法による軽減・免除……雑損控除とどちらか有利なほうを選べます
  • 国民健康保険料、公共料金などの減免……自治体の判断で行われます
  • 災害ごみの無料受け入れ……期間が決まっているので早めに確認を

制度の中身は災害の規模や自治体によって変わります。「自分の場合はどうか」は、必ず市区町村の窓口で確認してください。

保険と公的支援は、別物です

よくある誤解が「保険が出るなら支援は受けられない」というものですが、そんなことはありません。両方使えます。

そもそも公的支援は、家を建て直せる金額ではありません。生活を立て直すための一部を補うものです。住まいの再建までを考えるなら保険が必要になります。火災保険で何が出て何が出ないかは火災保険は災害で使える?にまとめました。

保険の請求は、り災証明書とは別に自分で動く必要があります。どこに連絡して、何の書類をそろえ、片付けをどこまで待つのか。この流れは床上浸水後の片付け手順と火災保険・水災補償の申請の流れに時系列で書きました。浸水以外の被害でも、進め方はほぼ同じです。

公的支援は、生活を再建する費用の一部にしかなりません。差額を埋めるのは保険です。いまの契約で足りるか不安なら、一度ほかの条件と並べて比べてみてください。

火災保険の比較はこちらから

気をつけてほしいこと

  • 申請には期限があります。災害ごとに決まっているので、落ち着いたら真っ先に確認してください
  • 「保険金が下りる」と訪問してくる業者に注意。災害のあとには必ず出てきます。手数料を取られたうえに、不正請求に巻き込まれることがあります
  • 相談は無料でできます。市区町村の窓口、弁護士会の無料相談、社会福祉協議会などがあります

今日1つだけやるなら、これ

「被災したら、片付ける前に写真」とだけ覚えてください。

制度の名前は忘れて構いません。そのときに調べれば間に合います。でも写真だけは、そのときにしか撮れません。

今日のチェックリスト

  • ☐ り災証明書がすべての入口だと知った
  • ☐ 片付ける前に写真を撮ると家族に共有した
  • ☐ 判定に納得できなければ再調査を頼めると知った
  • ☐ 保険と公的支援は両方使えると知った
  • ☐ 自分の市区町村の担当窓口を調べた

まとめ

被災後の支援は、り災証明書から始まり、申請しないと何も始まりません。そして判定の根拠になるのは、被害を記録した写真です。

想像したくない話ですが、知っているかどうかで、そのあとの生活が変わります。今日は「片付ける前に写真」だけ、頭に入れておいてください。


次に読むべき記事

「保険で何が出るのか、先に知っておいてください」
→ 火災保険は災害で使える?補償の違いと確認ポイント

「浸水したあとの、実際の片付けと申請の流れです」
→ 床上浸水後の片付け手順と火災保険・水災補償の申請の流れ

「被災地を支援したいときにできることです」
→ 被災地を支援したいとき、何ができるか|義援金と支援金の違い

「他の記事も見てみたい方は、目的別の目次からどうぞ」
→ 防災、何から始める?目的別の記事まとめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA