地震のあと、ガスコンロをひねっても火がつかない。お湯も出ない。
このとき多くの人がガス会社に電話しますが、つながりません。同じ電話が一斉に集中するからです。そして実際には、自分で戻せることのほうが多いです。
ガスが止まると、料理も風呂も暖房も使えません。停電は数時間で復旧することもありますが、ガスは「止まったまま気づかない」ことがあるぶん、長引きがちです。
結論:赤いランプが点滅していたら、自分で戻せます
先に答えを書きます。
- 震度5相当以上の地震で、ガスメーターが自動的にガスを止めます
- 止まるとメーターの赤いランプが点滅します
- 復帰ボタンを押して約3分待てば、また使えます
ガス会社に来てもらう必要はありません。メーターは屋外にあり、作業は2分で終わります。地震直後に何から手をつけるかは地震が起きたらまず何をするかの記事にまとめています。ただしやってはいけない場合があるので、そこだけ先に押さえてください。
なぜ止まるのか
ガスメーター(マイコンメーター)は、危険なことが起きたときに自分でガスを止める装置です。止まる理由は地震だけではありません。
- 震度5相当以上の地震が起きたとき
- 多量のガス漏れなど、ガスの流れに異常があるとき
- 長時間つけっぱなしなど、使い方に異常があるとき
つまり「止まった=壊れた」ではありません。装置が正しく働いた結果です。ここを知らないと、ガス会社に電話して何時間も待つことになります。
地震のあとは、この電話が一斉にかかります。本当に危険な家、たとえば配管が折れてガスが漏れている家への対応が、その分だけ遅れます。自分で戻せる家が自分で戻すことは、順番を空けることでもあります。
復帰のまえに、必ずやること
いきなりボタンを押してはいけません。順番があります。
- 屋外のものも含めて、すべてのガス機器を止める
- 器具のそばにあるガス栓(器具栓)を閉じる
- メーターのガス栓は開けたままにする
3つめを間違える人が多いです。閉めるのは器具側で、メーター側ではありません。
そして、ここが最も大事です。ガスのにおいがするときは、復帰させないでください。配管が壊れている可能性があります。この場合は自分で操作せず、ガス会社や販売店に連絡して、確認を受けてから使ってください。
メーターが止めているあいだは、漏れていても家の中にガスは流れてきません。ここで無理に復帰させると、止めていた安全装置を自分で解除することになります。においがしたら、そこで手を止めるのが正解です。
復帰のしかた
においがなく、機器をすべて止めたら、メーターの前に立ちます。
- メーターにあるキャップを外す
- 復帰ボタンを奥まで押して、手を離す
- 赤いランプがいったん点灯したあと、また点滅する(点灯しないこともあります)
- そのまま約3分待つ
- 点滅が消えていれば、ガスが使えます
待っているあいだは何もしなくて大丈夫です。3分というのは、メーターが配管にガス漏れがないかを自分で調べている時間です。だから途中でガス機器を使うと、調べている最中に邪魔が入ることになります。点滅が消えるまでは使わないでください。
ボタンの押し方は資料によって「奥まで押して手を離す」とも「ゆっくり押し込んですぐ離す」とも書かれています。最終的にはメーターに貼ってある説明書が正しいので、現物を見てください。機種によって違います。
復帰したら、ガス機器は1つずつ点けてください。全部まとめて使うと、どれかに異常があったときに原因が分からなくなります。最初は給湯器かコンロのどちらか1つで試すのが確実です。コンロを使うときは、火がついたときの対処も頭の片隅に置いておいてください。
戻せないとき
3分待っても点滅が消えない、または何度やっても止まってしまう場合は、そこでやめてください。繰り返し操作しても解決しません。
考えられるのは、配管や機器の側に問題がある場合と、地域へのガス供給そのものが止まっている場合です。後者なら、個人の操作では復旧できません。復旧を待つことになります。
どちらか分からないときは、近所の家でガスが使えているかを聞いてみると早いです。みんな止まっているなら供給側の問題です。
集合住宅では、建物全体で止まっていることもあります。自分の部屋のメーターを操作しても戻らないときは、管理会社や管理人に状況を聞いてください。各戸で解決できる問題ではない場合があります。
LPガス(プロパン)は少し違います
ボンベを使っているLPガスの家庭も、マイコンメーターで同じようにガスが止まります。ただし注意点が増えます。
- 揺れが大きかったときは、おさまってから屋外の容器バルブも閉める
- 再び使う前に、販売店や保安機関の点検を受ける
- 復帰できないときは、自分で粘らず販売店に連絡する
都市ガスより「点検を受けてから」という案内が明確です。ボンベと配管が屋外にあるぶん、地震で動いたり外れたりすることがあるからです。
よくある質問
メーターはどこにありますか
戸建てなら屋外の壁、集合住宅ならパイプスペース(玄関横の扉の中)か、ベランダにあることが多いです。地震が起きてから探すと手間取ります。今のうちに見ておいてください。
復帰ボタンはどれですか
メーターの表面にあるキャップを外すと出てきます。たいてい黒や灰色の丸いボタンで、近くに「復帰ボタン」と書かれています。ボタンが1つしかないので迷いません。
夜で暗いときはどうすればいいですか
明かりを用意してから作業してください。ただしライターやろうそくは使わないでください。ガス漏れがあった場合に危険です。スマホのライトか懐中電灯を使ってください。
復帰させたあと、すぐ使って大丈夫ですか
点滅が消えていれば使えます。ただし点滅が消える前に使うと、メーターが異常と判断してまた止めてしまうことがあります。急がず、消えたのを目で確かめてからにしてください。
ガスが止まったことに気づかないことはありますか
あります。オール電化でない家でも、地震直後は停電や片付けに気を取られて、ガスまで気が回りません。あとからお湯が出なくて気づくのが典型です。地震のあとは水・電気・ガスの3つを順に確認すると抜けません。電気については通電火災と電気の遮断の記事、停電そのものの備えは停電したときの備えの記事にまとめています。
今日1つだけやるなら、これ
自宅のガスメーターの場所を見てきてください。
1分で終わります。ついでにキャップを外して、復帰ボタンがどれかを見ておくだけで十分です。場所と見た目を知っているかどうかで、地震のあとの数時間が変わります。操作は今やる必要はありません。
今日のチェックリスト
- ガスメーターの場所を知っている
- 復帰ボタンの位置を見たことがある
- 閉めるのは器具栓で、メーターのガス栓ではないと知っている
- においがするときは復帰させないと知っている
- ガス会社(販売店)の連絡先を控えてある
- LPガスの家は、再使用前に点検が要ると知っている
まとめ
- 震度5相当以上の地震で、ガスメーターが自動でガスを止める
- 止まると赤いランプが点滅する
- すべての機器を止め、器具栓を閉じてから復帰ボタンを押す
- 約3分待って点滅が消えれば使える
- においがするとき、何度やっても止まるときは、自分で操作せず連絡する
ガスが止まるのは故障ではなく、装置が正しく働いた証拠です。戻し方を知っているかどうかだけの差で、復旧までの時間が大きく変わります。
次に読むべき記事
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ライフラインが止まったあとの記事
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