防災士が解説|備蓄に野菜ジュースを|避難生活で足りなくなる栄養の話

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非常食を用意している方に、ひとつ聞いてみたいことがあります。その中に、野菜はありますか?

水、カップ麺、缶詰、レトルトのごはん。このあたりまでは用意している方が多いのですが、野菜はほとんど入っていません。実はここが、避難生活で体調を崩す原因になります。

防災士として、私がいちばん手軽だと思っているのが野菜ジュースです。理由と、選び方の注意点まで正直に書きます。

避難生活で最初に足りなくなるのは、野菜です

災害が起きたあと、配られる食事はおにぎり、菓子パン、カップ麺が中心になります。これは支援が悪いのではなく、日持ちして、大量に運べて、調理がいらないものを選ぶとそうなるからです。

結果として、炭水化物ばかりの食事が何日も続きます。過去の災害でも、避難生活が長くなるほど野菜不足が問題になったことが報告されています。

便秘とトイレの問題は、つながっています

これはあまり語られませんが、とても大事な話です。

避難所ではトイレに行く回数を減らそうとして、多くの人が意識的に水分を控えます。そこに食物繊維の不足が重なると、当然のように便秘になります。そしてお腹が張って苦しくなり、さらに食欲が落ちる、という悪循環に入っていきます。

水分を控えるのは、エコノミークラス症候群のリスクにもつながるので、本当は避けたいところです。トイレの備えができていれば水分を我慢しなくてよくなるので、携帯トイレの備えとセットで考えてみてください。

口内炎、肌荒れ、疲れがとれない

ビタミンが不足すると、数日〜1週間くらいで体に出てきます。口内炎ができると食べるのがつらくなり、また栄養が偏る。避難生活では、この小さな不調が体力をじわじわ削っていきます。

野菜ジュースが備蓄に向いている4つの理由

  • 水がいらない……断水していてもそのまま飲めます
  • 火も電気もいらない……停電中でも調理不要です
  • 常温で飲める……冷蔵庫が使えなくても問題ありません
  • 紙パックはゴミが小さくなる……災害時はゴミ収集が止まります。つぶして捨てられるのは想像以上に助かります

とくに最後の「ゴミ」は見落とされがちです。断水中は洗い物ができないので、容器をゆすがずに捨てられるかどうかが地味に効いてきます。

ふつうの紙パックと、長期保存用の違い

野菜ジュースには2種類あります。使い分けると無駄がありません。

ふだん飲む紙パックタイプ

スーパーでも買える、いつものタイプです。賞味期限はおよそ270日ほどあります。値段が安く、普段から飲めるのが最大の利点です。

【1種類を選べる】カゴメ 野菜ジュース(195ml or 200ml×24本)【野菜一日これ一本 紙】

「備蓄のために買う」のではなく、いつも飲んでいるものを少し多めに置いておく。これだけで備蓄になります。

長期保存用タイプ

こちらは災害備蓄のために作られたもので、商品によって3〜5年ほど保存できます。値段は上がりますが、入れ替えを忘れても大丈夫という安心感があります。

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おすすめは、ふだん飲む用を家に、長期保存用を防災リュックか車にという分け方です。置き場所を分けておくと、家が使えないときにも野菜が手に入ります。

正直に書きます|野菜ジュースの限界

いいことばかり書くのはフェアではないので、注意点も書いておきます。

  • 野菜そのものの代わりにはなりません……製造の過程で、食物繊維は生の野菜より減ってしまうものが多いです。「これを飲んでいれば野菜は不要」ではありません
  • 食塩入りと食塩無添加があります……備蓄用に選ぶなら食塩無添加のほうが無難です。避難生活では、どうしても味の濃い食事に偏るので
  • 果汁入りは糖分が多めです……飲みやすいぶん、飲みすぎに注意してください
  • 開けたら早めに飲みきってください……断水中は冷蔵も洗浄もできません。小さいサイズのほうが向いています

それでも、何もないよりは圧倒的にましです。完璧を目指すと備蓄は続かないので、まずは「炭水化物以外のものを1つ持っておく」くらいの気持ちでいいと思います。

ローリングストックのやり方

難しい話ではありません。3ステップです。

  1. ふだん飲む野菜ジュースを、いつもより1箱多く買う
  2. 古いものから普通に飲む
  3. 減ったら買い足す

これだけです。賞味期限を管理する必要がなくなるのが、ローリングストックの最大の利点だと思います。水や食料の必要量については防災の備蓄は何日分必要?水と食料の目安にまとめました。

今日1つだけやるなら、これ

次の買い物で、野菜ジュースを1箱だけカゴに入れてください。

防災グッズを買いに行く必要はありません。いつものスーパーで、いつもの棚です。それだけで備蓄が1つ増えます。

今日のチェックリスト

  • ☐ 備蓄の中に、野菜がとれるものがあるか確認した
  • ☐ 野菜ジュースを1箱多めに買った
  • ☐ 食塩無添加かどうか、パッケージを見た
  • ☐ 防災リュックか車にも1〜2本入れた
  • ☐ 古いものから飲む置き方にした

まとめ

避難生活で足りなくなるのは、カロリーではなく野菜です。そして野菜不足は、便秘やトイレの問題、体力の低下という形で、じわじわ効いてきます。

野菜ジュースなら、水も火も使わずに飲めて、ゴミも小さくなります。特別な買い物をしなくていいので、防災の中ではいちばん始めやすい備えだと思います。


次に読むべき記事

「備蓄は何日分あればいいのか」
→ 防災の備蓄は何日分必要?水と食料の目安

「何を揃えるか、リストで確認できます」
→ 防災グッズは何を揃える?初めての人向けリスト

「一番困るのはトイレです。何回分いるのか」
→ 携帯トイレは何回分必要?1人35回分が目安です

「断水中、体をどう清潔に保つか」
→ 断水でお風呂に入れないとき|体を清潔に保つ方法

「他の記事も見てみたい方は、目的別の目次からどうぞ」
→ 防災、何から始める?目的別の記事まとめ

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