防災士が解説|床上浸水後の片付け手順と火災保険・水災補償の申請の流れ

床上浸水後の片付けをブレーカー・写真・罹災証明・泥出し・乾燥の順に示したフロー図

水害でつらいのは、水が来ているときではありません。
水が引いたあとです。

泥はかき出しても出てきますし、においも残ります。
そのうえ、お金の手続きまで待っています。

この記事では、
床上浸水したあとの片付けの順番と、
火災保険の水災補償を申請する流れをまとめました。

床上浸水後の片付けをブレーカー・写真・罹災証明・泥出し・乾燥の順に示したフロー図

結論:片付ける前に「写真を撮る」

これだけは、先に言わせてください。

片付けてしまうと、被害の証拠がなくなります。
保険も、罹災証明書も、あとから証明できません。

👉 泥をかき出す前に、スマホで撮る。
順番はこれだけ守ってください。


【手順1】まず安全の確認をする

家に戻ったら、片付けよりも先にこちらです。

  • ブレーカーを落とす
  • ガスの元栓を締める
  • 濡れた家電の電源を入れない

濡れた家電は「乾いても」危ない

見た目が乾いていても、中に泥や水分が残っています。
そのまま電源を入れると、通電火災につながります。

👉 水に浸かった家電は、業者に見てもらうまで使わない。
もったいなくても、ここは我慢してください。


【手順2】写真を撮る(一番大事)

撮る順番

  • 家の外観を4方向から
  • 浸水した高さの跡(壁に線が残っています)
  • 部屋ごとの全体
  • 壊れた家財を1点ずつ
  • 家電の型番シール

高さが分かるように撮るのがコツ

メジャーを当てる、または人が横に立って撮ります。
「どこまで浸かったか」が伝わる写真が、あとで効きます。

👉 撮りすぎて困ることはありません。
多すぎるくらいでちょうどいいです。


【手順3】罹災証明書を申請する

市区町村の窓口で申請します。
これがないと、公的な支援がほとんど受けられません。

  • 申請先…住んでいる市区町村
  • 必要なもの…本人確認書類、被害状況の写真

👉 手順2で写真を撮る理由が、ここです。
片付けたあとでは撮り直せません。


【手順4】泥と水を出す

ここからが体力勝負です。
流れとしてはこの順番になります。

  • 水をかき出す
  • 泥をすくって外に出す(乾く前のほうが楽です)
  • 使えない家財を出す
  • 水で洗い流す

服装は「ケガをしない格好」で

⚠️ 浸水した水は汚水です。
小さな傷から感染することがあります。
ケガをしたら、必ず洗って病院に行ってください。


【手順5】消毒より先に「乾燥」

ここ、順番を間違える人が多いところです。

  • 洗う
  • 乾かす
  • 消毒する

濡れたまま消毒しても効きません。
窓を開け、扇風機を回し、床下まで乾かします。

👉 乾燥には数週間から数か月かかることもあります。
ここを急ぐと、あとからカビで苦しみます。


火災保険・水災補償の申請の流れ

「火災保険なのに水害?」と思うかもしれませんが、
水害は火災保険の「水災」で見ます。

①保険会社に電話する

片付けの前でかまいません。
むしろ先に連絡したほうがいいです。

②書類をそろえる

  • 保険証券(番号が分かればOKなことも)
  • 被害状況の写真
  • 修理の見積書
  • 罹災証明書(求められる場合)

③調査・査定

鑑定人が見に来ることがあります。
ここでも写真が役に立ちます。

④保険金の支払い

大きな災害のあとは混み合います。
早めに動いた人から進みます。


水災補償には「条件」があります

ここが一番の落とし穴です。
水災は、浸水すれば必ず出るわけではありません。

よくある支払い条件は、こういうものです。

  • 床上浸水した
  • または地面から45cmを超えて浸水した
  • または損害の割合が一定以上になった

⚠️ 条件も金額の出方も契約によって違います。
最近は実際の損害額を出すタイプも増えています。

👉 そもそも「水災」を外している契約もあります。
保険料を下げるために外していることがあるんです。


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よくある勘違い3つ

❌ 火災保険だから水害は関係ない

→ 逆です。水害を見るのは火災保険です。

❌ 片付けてから連絡すればいい

→ 片付けたあとでは、被害を示せません。
写真だけは必ず先に。

❌ 賃貸だから自分には関係ない

→ 建物は大家さん、家財は自分の保険です。
家電も家具も、自分で請求することになります。


今日1つだけやるなら、これ

まだ被害に遭っていない方は、これだけです。

火災保険の証券を開いて、「水災」の2文字があるか見る。

3分で終わります。
そして、ここが一番お金に直結します。


床上浸水後のチェックリスト

  • ☐ ブレーカーを落とした
  • ☐ 濡れた家電の電源を入れていない
  • ☐ 片付ける前に写真を撮った
  • ☐ 浸水の高さが分かる写真がある
  • ☐ 保険会社に連絡した
  • ☐ 罹災証明書を申請した
  • ☐ 手袋・長靴・マスクを用意した
  • ☐ 消毒より先に乾燥させている

まとめ

床上浸水の片付けは、体力も気力も削られます。
だからこそ、順番を知っているかどうかで差が出ます。

覚えることは1つだけで大丈夫です。

片付ける前に、写真を撮る。

これだけ覚えておいてください。
あとの手続きが、全部楽になります。


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