防災士が解説|賃貸でもできる浸水対策|穴あけ不要、置くだけ・持ち出せる備え

ゴミ袋を2枚重ねて水を入れる簡易水のうの作り方を3ステップで示した図

「浸水対策って、持ち家の人の話でしょ?」
「賃貸だし、壁も床もいじれないし…」
そんなふうに思っていませんか?

実は、賃貸の浸水対策に工事はいりません。
やることは「入れない」「濡らさない」「持ち出せるようにする」の3つだけです。

この記事では、
穴を開けず、原状回復も気にせずできる浸水対策だけを紹介します。


結論:賃貸の浸水対策は「置く・どける・持ち出す」

結論から言います。
賃貸でできることは、この3つで足ります。

  • 置く…水の入り口をふさぐ
  • どける…濡れたら困る物を床から上げる
  • 持ち出す…いざというとき手ぶらで逃げない準備

工事も、大きな買い物も必要ありません。
「何もできない」ではなく「知らないだけ」な人がほとんどです。


賃貸で本当に怖いのは「1階」と「地下」

水害でまず被害が出るのは、次のような場所です。

  • 1階の部屋
  • 半地下・地下の部屋
  • 地下や1階の駐車場・駐輪場

2階以上なら安心?

部屋が浸かる心配は減ります。
ただし、こちらは残ります。

  • 停電でエレベーターが止まる
  • ポンプが止まって断水する
  • 下水が逆流してトイレや排水口から水が出る

👉 上の階でも「水が来ない」だけで、生活は止まります。


浸水対策①【入れない】穴あけ不要でできること

今日できる:排水口のゴミを取る

いちばん効くのに、いちばんやられていないのがこれです。

  • ベランダの排水口
  • 玄関前の側溝
  • エアコン室外機まわり

落ち葉や泥が詰まっていると、
雨が流れずベランダから室内に入ってきます。
3分で終わりますし、道具もいりません。

土のうは買わなくていい(水のうで代用)

土のうは重いですし、賃貸で置き場所もありません。
代わりになるのが水のうです。

  • ゴミ袋を2枚重ねにする
  • 水を半分くらい入れる
  • 空気を抜いて口をしばる

これを玄関やベランダの入り口に並べるだけです。
段ボール箱に入れて並べると、さらに安定します。

👉 使い終わったら水を捨てるだけ。
置き場所に困らないのが、賃貸には一番ありがたいところです。

ゴミ袋を2枚重ねて水を入れる簡易水のうの作り方を3ステップで示した図


浸水対策②【濡らさない】床の高さを見直すだけ

床の直置きをやめる

浸水は、ひざ下でも十分に被害が出ます。
床に直接置いているものを思い出してみてください。

  • 延長コード・電源タップ
  • 本や書類の箱
  • アルバム・思い出の物
  • ゲーム機・ルーター

👉 棚の一段上に移すだけで、被害はかなり変わります。

洗濯機と冷蔵庫は「かさ上げ台」で

置くだけの台なので、原状回復も問題ありません。
掃除がしやすくなるおまけもあります。

大事な書類はスマホで撮っておく

紙は濡れたら終わりです。
次の書類は、今日写真に撮っておくと安心です。

  • 賃貸契約書
  • 火災保険の証券
  • 通帳・免許証・保険証

浸水対策③【逆流を止める】意外と知られていない対策

街なかの浸水(内水氾濫)で困るのが、下水の逆流です。
外がまだ浸かっていなくても、
トイレやお風呂の排水口から水が上がってくることがあります。

ここでも水のうが使えます。

  • 便器の中に水のうを1つ置く
  • お風呂・洗濯機の排水口の上に置く

👉 ふたをするのではなく、重しで押さえるイメージです。
これを知っているだけで、部屋が汚水まみれになるのを防げることがあります。


賃貸だからこそ大事な「持ち出せる備え」

賃貸は、いざとなったら上の階か外に移動できます。
だからこそ、備えは「据え付ける物」より「持ち出せる物」が向いています。

  • モバイルバッテリー(満充電にしておく)
  • 防水ポーチ(スマホと現金と鍵を入れる)
  • ヘッドライトか懐中電灯
  • ひもで締められるスニーカー(長靴は水が入ると危険です)
  • 常備薬・眼鏡

👉 玄関に1つ、袋にまとめて置いておく。
それだけで十分です。


「水害 賃貸」で一番見落とされる保険の話

ここ、ほとんどの人が知りません。

  • 建物…大家さんの保険
  • 家財…自分の保険

つまり、浸水で家電や家具がダメになっても、自分の保険にしか請求できません。

しかも、賃貸契約とセットで入った火災保険は、
「水災」が対象外になっている契約があります。

👉 証券を一度だけ開いて、
「水災」の2文字があるかどうかを見てみてください。
3分で終わりますし、ここが一番お金に直結します。


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やってはいけないこと3つ

❌ 車を移動しに地下駐車場へ行く

→ 水は一気に流れ込みます。車より自分です。

❌ 水が来てから避難する

→ ひざ下でも歩けなくなります。
すでに浸水しているなら、外に出るより上の階に上がるほうが安全なこともあります。

❌ ベランダに物を置きっぱなし

→ 排水口をふさぎますし、強風で飛びます。


今日1つだけやるなら、これ

ベランダと玄関前の排水口のゴミを取る。

お金もかからず、道具もいらず、3分で終わります。
そして、賃貸の浸水対策としては一番効きます。


今日のチェックリスト

  • ☐ ベランダ・玄関前の排水口を掃除した
  • ☐ 床の直置きを1つ棚に上げた
  • ☐ ゴミ袋のストックを確認した(水のう用)
  • ☐ 契約書と保険証券をスマホで撮った
  • ☐ 火災保険に「水災」があるか見た

まとめ

賃貸だからといって、
浸水対策ができないわけではありません。

むしろ、工事ができない分、身軽に動けるのが賃貸の強みです。

完璧を目指す必要はありません。
まずは一つだけ。
排水口のゴミを取るところから始めてみてください。


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