防災士が解説|被災地を支援したいとき、何ができるか|義援金と支援金の違い

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ニュースで被災地の映像を見るたびに、「何かしたい。でも、何をすればいいのか分からない」と思うことはないでしょうか。私もそうでした。

能登半島地震のあと、自分に何ができるかを考えて、いろいろ調べました。そのときに分かったのは、善意でやったことが、かえって現地の負担になる場合があるということです。

防災士として、被災地を支援したいときにできること、そしてやらないほうがいいことをまとめます。

まず知っておきたい|義援金と支援金は別物です

寄付をしようとすると、この2つの言葉が出てきます。似ていますが、届き方がまったく違います。

義援金

被災した方へ直接、現金として配られるお金です。日本赤十字社や自治体、共同募金会などが受け付けます。

特徴は、全額が被災者に届くこと。ただし、被害の認定や配分の話し合いが必要なので、手元に届くまでに数か月かかることがあります。

支援金

現地で活動するNPOやボランティア団体の活動費になるお金です。炊き出し、がれきの撤去、子どもの居場所づくりなどに使われます。

こちらはすぐに使われるのが特徴です。「いま動いている人を支えたい」ならこちらになります。

どちらが正しいということはありません。いますぐ役立ててほしいなら支援金、被災した方に直接届けたいなら義援金、と覚えておけば迷いません。

ふるさと納税で災害支援ができます

意外と知られていないのですが、ふるさと納税のサイトには災害支援のための寄附という枠があります。

返礼品はありません。そのぶん、寄付したお金がそのまま被災地に向かいます。そしてふるさと納税の制度なので、控除の対象になります。手続きも通常の寄付より分かりやすいので、初めての方にはこの方法が向いていると思います。


もうひとつ、覚えておくと良いことがあります。災害が起きた直後は、被災した自治体の職員も被災者です。そこで「代理寄付」といって、別の自治体が寄付の受付や事務を肩代わりしてくれる仕組みがあります。これを使うと、現地の職員の手をわずらわせずに寄付ができます。

ふるさと納税で防災グッズを選ぶ方法はふるさと納税でそろえられる防災グッズにまとめています。

やらないほうがいいこと

ここが、いちばんお伝えしたいところです。良かれと思ってしたことが、現地を困らせてしまうことがあります。

  • 個人で物資を送る……仕分ける人手、置く場所、配る手間が現地で発生します。中身がバラバラだと、さらに手間が増えます。過去の災害でも、支援物資が体育館を埋めて動けなくなった例があります
  • 予告なく現地へ行く……道路が渋滞すると、救助や物資の車両が通れなくなります
  • 受け入れ態勢の確認前にボランティアに行く……災害ボランティアセンターが開設されてから、募集の条件を確認して申し込んでください。宿と食事は自分で確保するのが原則です
  • 古着や食べかけのものを送る……これは支援になりません

身もふたもない言い方になりますが、災害の直後にいちばん確実に役立つのはお金です。必要なものを、必要な量だけ、現地で買えるからです。

時間が経ってからできること

支援は、報道が減ったあとが本番です。

  • 落ち着いてから旅行に行く……いわゆる復興支援の旅です。泊まって、食べて、お土産を買う。これが地域のお金になります
  • その土地の産品を買う……通販でも十分に力になります
  • ボランティアに行く……人手が必要になるのは、片付けが本格化してからです
  • 忘れないこと……これがいちばん大事かもしれません

そして、自分の備えをすることも支援です

これは防災士としての本音です。

災害が起きたとき、自分が助けられる側にならないことは、それだけで社会の負担を1つ減らします。水を3日分置いておく、家具を固定する。それだけで、救助に向かう人の手が他の誰かに回ります。

「被災地のために何かしたい」と思ったその気持ちを、自分の家の備えに向けるのも、立派な支援だと思っています。

今日1つだけやるなら、これ

寄付をするなら、義援金か支援金かを決めてから出してください。

金額の大小より、行き先を知って出すほうが、ずっと意味があります。

今日のチェックリスト

  • ☐ 義援金と支援金の違いが分かった
  • ☐ ふるさと納税の災害支援寄附を見てみた
  • ☐ 個人で物資を送るのはやめると決めた
  • ☐ 落ち着いたら現地に行く、を予定に入れた
  • ☐ 自分の家の備えを1つ進めた

まとめ

能登半島地震のあと、私も「何もできない自分」がもどかしくて仕方がありませんでした。でも調べてみると、離れた場所からでもできることはちゃんとあります。

お金の行き先を選ぶ。物資は送らない。落ち着いたら訪ねる。そして、忘れない。

微力ですが、被災された地域が少しでも前に進むことを願っています。


次に読むべき記事

「被災したあとに受けられる支援の話です」
→ 災害で被害を受けたら|受けられる支援と手続きの基本

「ふるさと納税で防災グッズが選べます」
→ ふるさと納税でそろえられる防災グッズ

「地震が起きた瞬間、何をするか決まっていますか」
→ 地震が起きたらまず何をする?最低限これだけでOK

「まず備蓄から、という方はこちらです」
→ 防災の備蓄は何日分必要?水と食料の目安

「返礼品で防災グッズを選ぶこともできます」
→ ふるさと納税でそろえる防災グッズ

「他の記事も見てみたい方は、目的別の目次からどうぞ」
→ 防災、何から始める?目的別の記事まとめ

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